スマートフォンからFAXを送る方法には、ブラウザ・メール・アプリの3つがあります。いずれも、インターネットFAXと呼ばれるサービスを介してFAXを届ける仕組みです。スマートフォン本体にFAXの機能はありませんが、このサービスを使えば、FAX機や電話回線を用意せずに送れます。
ただし、無料で使える範囲や料金、FAX番号の扱いはサービスごとに異なります。本記事では、3つの送り方の違いと、スマートフォンから使えるインターネットFAX8社の比較、用途と頻度に応じた選び方、送信の手順までをご紹介します。
目次
スマホからFAXを送る3つの方法
ブラウザ・メール・アプリはいずれもFAXを送る方法ですが、送信するまでの操作が異なります。普段の使い方に合う方法を選べば、送信のたびの手間を抑えられるでしょう。ここでは送信の方法に絞り、ブラウザ、メール、アプリの順にご説明します。なお、各サービスがどの方法に対応しているかは、後半の比較表でまとめてご紹介します。
ブラウザから送る
サービスの送信画面をブラウザで開き、原稿のデータと相手先のFAX番号を指定して送ります。専用の機器を用意する必要はなく、インターネットにつながる環境があれば操作できるのが利点です。サービスによっては、送信結果を履歴などから確認できます。なかには会員登録をせずに、送信だけできるサービスもあります。
メールから送る
メール送信に対応したサービスでは、新規メールを作成し、サービスが指定する形式で宛先を入力して、原稿を添付します。送信画面を開かずに済むため、日頃からメールで書類をやり取りしている場合は手間が少なくなります。宛先の書き方や送信できるファイル形式はサービスごとに異なるため、利用前にご確認ください。
アプリから送る
サービスが提供する専用アプリをスマートフォンにインストールし、アプリから送信の操作を行う方法です。アプリ内で送信が完結せず、端末のメールアプリを起動して送るサービスもあります。送信できるファイルの形式や1回に送れる枚数はサービスごとに異なるため、事前にご確認ください。 アプリに対応したサービスの違いは、関連記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:FAXアプリ5サービスを比較!機能・選び方・無料の範囲を解説
スマホからFAXを送れる「インターネットFAX」とは
ここまでご紹介したブラウザ・メール・アプリの3つの方法でFAXを送る際に利用するのが、インターネットFAXです。原稿のデータをサービス提供元のサーバーへ送ると、サーバーがFAX用の信号に変換し、相手先のFAX機へ電話回線を通じて届ける仕組みです。相手側はいつもどおりFAX機で受け取るだけで、特別な準備は要りません。手元にFAX機がなくても送信できます。
サービスは、FAX番号が発行されるものと、発行されないものに分かれます。受信に対応したサービスでは自分専用のFAX番号が発行され、相手が送ったFAXをサーバーが受け取り、データとして手元に届く流れです。一方、FAX番号を持たずに送信だけを行うサービスもあり、この場合は相手からの返信をFAXで受け取れません。いずれもFAX機の購入や電話回線の工事は不要です。
FAX番号が発行されるサービスでは、申し込みの際に本人確認書類の提出が必要になります。利用開始までの日数はサービスによって異なるため、使い始める時期が決まっている場合は、余裕をもって申し込んでおくと安心です。送信だけで足りるなら、契約せずに使える方法もあります。
関連ページ:インターネットFAXとは|仕組み・メリットを解説【MOVFAX】
スマホからFAXを使う場合の料金体系
スマートフォンからFAXを使う費用は、サービスごとに料金体系が異なります。まず確認したいのは、基本料金の有無です。あわせて、基本料金に含まれる範囲と、その範囲を超えたときの料金も見ておきましょう。なお、今回比較したサービスの中に、費用をまったくかけずに使い続けられるものはありません。
今回比較したサービスには、月額基本料金がかからず、送信した分だけ支払うタイプもあります。このタイプはFAX番号が発行されない送信専用のため、受信には対応していません。受信も行う場合は、FAX番号を維持するための基本料金が設定されているサービスが一般的です。
月額制のサービスでは、一定の枚数まで追加料金なしで送受信できることがあります。本記事ではこれを無料枠と呼び、超えた分には1枚ごと、または通信時間に応じた料金が加わります。料金体系はサービスによって異なるため、基本料金だけでなく、無料枠と超えた分の料金もあわせてご確認ください。
スマホから使えるインターネットFAX8社を比較
ここからは、当社のインターネットFAXサービス「MOVFAX(モバックス)」を含む8つのサービスを比較します。比較するのは、送信に使える方法、料金と無料枠、利用できるFAX番号の3つの観点です。いずれも2026年9月14日時点で各社の公式サイトに掲載されている内容をもとにしています。
ブラウザ・メール・アプリへの対応
ここまでご紹介した3つの送信方法について、各サービスの対応状況を比較します。使いたい方法が決まっている場合は、対応するサービスに候補を絞り込めます。
| サービス名 | ブラウザ | メール | アプリ |
| IVRy AI FAX | ○ | ― | ○ |
| eFax | ○ | ○ | ○ |
| スマホでFAX45 | ○ | ― | ― |
| 03FAX | ○ | ― | ○ |
| faximo | ― | ○ | ○ |
| メッセージプラス | ○ | ○ | ○ |
| モバイルFAX | ― | ○ | ○ |
| MOVFAX | ○ | ○ | ― |
※○=2026年9月14日時点で公式サイトで送信手段として確認できたもの
―=確認できなかったもの(非対応とは限らない)。
複数の方法に対応するサービスであれば、外出先ではアプリ、事務所ではメールというように使い分けられます。普段の作業に合う方法に対応しているかを確認しておきましょう。
スマホ送受信料金の比較
費用は初期費用、月額基本料金、送信料金、受信料金の4つに分かれます。どれか1つだけを見ると総額を見誤るため、無料枠とあわせてご覧ください。
| サービス名 | 初期費用 | 月額基本料金 | 送信料金 | 受信料金 |
| IVRy AI FAX | 0円 | 3,278円 | 16.5円/枚 | 16.5円/枚 |
| eFax | 1,100円 | 2,585円 | 月150ページまで追加料金なし/超過11円 | 月150ページまで追加料金なし/超過11円 |
| スマホでFAX45 | 0円 | 0円 | 45円/枚 | 受信不可 |
| 03FAX | 5,500円 | 1,408円 | 22円/30秒 | 追加料金なし(枚数制限なし) |
| faximo | 1,188円 | 1,188円 | 15.4円/枚 | 月1,000枚まで追加料金なし/超過9.9円 |
| メッセージプラス | 1,100円 | 1,045円 | 16円/枚 | 追加料金なし(枚数制限なし) |
| モバイルFAX | 0円 | 980円 | 月50ページまで追加料金なし(ポイント制) | 追加料金なし(枚数制限なし) |
| MOVFAX | 1,100円 | 1,078円(上位プラン4,378円) | 11円/枚 | 月1,000枚まで追加料金なし/超過11円 |
※料金は税込、2026年9月14日時点の公式サイト掲載の代表プラン。送信料金と無料枠の単位は各社で異なる
月額基本料金がかからないのは、今回比較した中では送信専用の1社だけです。受信も必要であれば月額基本料金が発生するため、無料枠の枚数と超えた分の単価を見比べることになります。想定する枚数を当てはめて計算すると、差がはっきりします。
利用できるFAX番号の違い
FAX番号は、050のみのもの、市外局番を選べるもの、そもそも番号が発行されないものなど、サービスによって異なります。今回比較した8社のうち、送信専用の1社にはFAX番号が割り当てられません。市外局番を選べるサービスは、地域の番号で受け取りたい場合に候補となります。
現在使っているFAX番号を引き継ぎたい場合は、FAX番号の移行に対応しているかを個別にご確認ください。取引先への案内が不要になるため、条件が合えば移行の手間を抑えられます。対応していないサービスでも、複合機の転送機能と併用することで、現在のFAX番号宛のFAXを受け取れる場合があります。
| サービス名 | 利用できるFAX番号 |
| IVRy AI FAX | 050(市外局番・フリーダイヤルは上位プラン) |
| eFax | 全国62都市の市外局番/050 |
| スマホでFAX45 | 発行なし(送信専用) |
| 03FAX | 全国主要47局番/050 |
| faximo | 03/06/052/050から選択 |
| メッセージプラス | 050のみ |
| モバイルFAX | 050のみ |
| MOVFAX | 050(03・06・045は有料オプション) |
8社の特徴とおすすめの用途
同じインターネットFAXでも、力を入れている部分はサービスごとに違います。料金やFAX番号の条件が近い場合は、機能や使い勝手が決め手になります。まずは一覧で見比べたうえで、それぞれの注意点をご確認ください。
| サービス名 | 主な特徴 | おすすめの用途 |
| IVRy AI FAX | 受信したFAXを自動で文字にする | 内容を検索して探したい |
| eFax | 年払いを選ぶと総額が安くなる | 使い続けることが決まっている |
| スマホでFAX45 | 送信専用。会員登録が不要 | 受信は使わず、たまに送信だけしたい |
| 03FAX | 定額オプションで月500枚まで送信 | 送信の枚数が多い |
| faximo | メールで送受信 | メール中心の運用に合わせたい |
| メッセージプラス | 受信は枚数制限なく追加料金なし | 受信が中心で留守電も使いたい |
| モバイルFAX | アプリとメールでスマホから送受信 | スマートフォンだけで使いたい |
| MOVFAX | 受信1,000枚まで追加料金なし | 受信が多い業務を複数人で管理したい |
IVRy AI FAX
株式会社IVRyが提供するインターネットFAXで、現在使っているFAX番号を引き継ぎ、クラウドへ移したい場合に合います。受信したFAXの内容を自動で文字にする機能があり、手書きの書類にも対応しています。送信は管理画面から画像を選ぶほか、専用アプリで撮影した写真をそのまま送ることも可能です。送受信ともに無料枠はありません。
eFax
j2 Global Japan有限会社が提供するインターネットFAXで、送受信ともに月150ページ程度に収まる場合に合います。全国主要都市の62市外局番と050からFAX番号を選べ、年払いを選ぶと1年分の総額は25,850円(税込)です。通信時間60秒までを1ページ分として扱うため、原稿の枚数と請求が一致しない場合があります。
出典:eFax公式サイト
スマホでFAX45
NetReal株式会社が提供する送信専用のサービスで、利用が年に数回にとどまる場合に合います。会員登録は不要で、ブラウザから利用でき、送信した枚数分の料金だけがかかります。ただし、利用者にFAX番号は割り当てられず、送信元のFAX番号は送信のたびに変わる点にご注意ください。そのため、相手からの返信をFAXで受け取ることはできません。
03FAX
株式会社グラントンが提供するインターネットFAXで、全国47局番から選べる市外局番を使いながら、受信の枚数が読めない業務に合います。受信は枚数の制限がなく、FAX番号を移して使う仕組みもあります。月1,100円(税込)のオプション「使い放題500」を付けると、送信は月500枚まで追加料金がかかりません。送信料金は通信時間に応じた計算で、決済ごとに事務手数料も加わります。
出典:03FAX公式サイト
faximo
株式会社エディックワークスが提供するインターネットFAXで、メール中心の業務で受信の枚数が多い場合に合います。メールでの送受信に対応し、アプリから送信することもできます。FAX番号は03・06・052・050から選べる形です。請求書の郵送を希望しない場合は、月額基本料金が1,034円(税込)に割り引かれます。
出典:faximo公式サイト
メッセージプラス
株式会社アクセルコミュニケーションズが提供するインターネットFAXで、050のFAX番号で受信を制限なく使い、留守番電話もまとめたい場合に合います。Webとアプリに加え、登録したメールアドレスから添付ファイルを送る方法にも対応しています。同じサービスの利用者どうしであれば送信に料金がかからず、年払いなら登録事務手数料も無料です。ただし、海外への送信はできません。
モバイルFAX
株式会社テレトピアが提供するインターネットFAXで、初期費用をかけず、送信が月50ページ以内に収まる場合に合います。受信は専用アプリで確認でき、送信はアプリから端末のメールアプリを起動して行います。送信は月ごとにA4サイズ換算で50ページまで追加の料金がかかりません。これを超える分は、ポイントを購入して充当します。
出典:モバイルFAX公式サイト
MOVFAX(モバックス)
日本テレネット株式会社(当社)が提供する、法人向けのインターネットFAXです。受信の枚数が多く、複数人でFAXを管理したい場合に合います。受信は月1,000枚まで追加料金なしで、送信も1枚ごとの計算のため、枚数から費用を見積もりやすくなります。
ブラウザとメールから送受信でき、上位のプランでは、受信したFAXを送信元のFAX番号ごとに自動で振り分ける機能や、複数人での利用にも対応しております。複合機が自動転送機能に対応していれば、電話回線を維持したまま現在のFAX番号宛のFAXを受け取れます。
関連ページ:MOVFAX公式サイト
スマホでFAXを使うときの選び方
8社の特徴をご紹介しましたが、選択肢が多く迷う場合の手がかりになるのは、用途と頻度の2点です。送信だけでよいのか受信も必要なのか、どのくらいの頻度で使うのかを整理すると、適した料金体系を絞り込みやすくなります。
送信だけで足りるのであれば、使った分だけ支払う送信専用のサービスも候補になります。一方、受信が必要であれば、一度きりの利用であってもFAX番号が発行されるサービスへの申し込みが必要です。月額基本料金の請求方法や解約できる時期はサービスごとに異なるため、短期間だけ使う場合は事前にご確認ください。継続する業務で受信が中心になるのであれば、無料枠の枚数が総額を大きく左右します。
業務で使う場合に確認したい条件
業務で使う場合は、料金以外にも確認しておきたい3つの条件があります。いずれも運用を始めてから変えにくいため、申し込みの前にご確認ください。
- FAX番号を引き継げるか
- 複数人で管理できるか
- スマートフォンで送受信できるか
とくにFAX番号の扱いは取引先への影響が大きく、引き継げない場合は取引先全社への案内が必要になります。複数人で扱うなら、受信したFAXの共有や振り分けの機能があるかを確認しておきましょう。[2]
スマホからFAXを送る手順
使うサービスが決まったら、実際に送る流れも確認しておきましょう。スマートフォンからFAXを送る操作は、4つのステップに整理できます。サービスによって画面の名称は異なりますが、流れはほぼ共通です。ここでは、ブラウザから送る場合を例に、メールやアプリでも欠かせない原稿の用意と宛先の確認を含めてご説明します。
送信までの基本の4ステップ
STEP1:原稿を用意する
送りたい書類を、PDFや画像などのデータで準備します。あわせて、原稿の向きと文字の大きさもご確認ください。FAXは白黒で送られるため、薄い色の文字や細い罫線は相手先で読み取りにくくなります。送信できるファイル形式もサービスによって異なるため、事前の確認をおすすめします。
紙の書類をデータにするときのポイント
紙の書類しかない場合は、スマートフォンのカメラで撮影してデータにします。スマートフォンに書類のスキャン機能がある場合は、傾きの補正などを使うと、撮影したままの写真より読み取りやすくなるでしょう。撮影する際は、影が入らないよう明るい場所で、書類全体が入るように写してください。クラウドに保存したファイルは、サービスが対応しているかを先にご確認ください。
STEP2:送信画面を開く
スマートフォンのブラウザで、利用するサービスの送信画面を開きます。FAX番号が発行されるサービスであれば、まず管理画面へのログインが必要です。会員登録のない送信専用のサービスでは、ログインをせずに送信の画面から操作を始められます。
STEP3:宛先を入力する
相手先のFAX番号を、市外局番から続けて入力します。FAX番号を1桁でも誤ると別の相手に届くため、送信の前にもう一度見直しておくと安心です。サービスによっては、送付状を付けたり、アドレス帳から宛先を選んだりすることもできます。
STEP4:送信して結果を確認する
送信後、履歴や通知で結果をご確認ください。相手先の受信状態や通信状況などによって、送信に失敗する場合もあるためです。うまく送れなかった場合は、FAX番号と原稿を見直してから送り直します。何度も失敗する場合は、相手先が受信できる状態かを電話などで確かめるのも一つの方法です。
ここまではブラウザから送る場合をご説明しました。メールやアプリから送る場合も、原稿を用意して宛先を確認し、送信後に結果を見るという流れは変わりません。画面の名称や操作の細かな手順はサービスごとに異なるため、利用するサービスの案内をあわせてご確認ください。
まとめ
スマートフォンからFAXを送る方法は、ブラウザ・メール・アプリの3つです。いずれもインターネットFAXを利用する方法で、サービスによって対応する方法や料金、利用できるFAX番号が異なります。送信専用のサービスには、月額基本料金がかからず、送信した分だけ支払うものもあります。受信も行う場合は、FAX番号を維持するための基本料金が必要になるのが一般的です。
選ぶときは、用途と頻度に加えて、使う人数や利用する場面も判断材料になります。複数の担当者でFAXを扱うのであれば、受信した書類を振り分けられるかどうかも確認しておきたい条件です。まずは月にどれくらい送受信するかを見積もることから始めてみてください。