取引先へFAXを送るとき、書類の前に添える送付状に何を書けばよいか迷うことはないでしょうか。社内に決まった書式がなく、前任者が残した1枚を使い回している職場も少なくありません。宛名の敬称や記載項目など、判断に迷いやすい点もあります。
FAX送付状に書く項目は、送信日、宛名と送信先FAX番号、差出人情報、件名と本文、送信枚数です。誰が誰宛に何を何枚送ったのかが伝わればよく、書き方に決まった様式はありません。本記事では、基本項目の書き方から宛名の敬称、手書きの要否、例文とテンプレートの作り方まで解説します。
目次
FAX送付状とは?送り状・表紙の呼び方の違い
FAX送付状は、FAX送り状やFAX表紙と呼ばれることもありますが、指しているものは同じです。呼び方が違っても、書く項目や果たす役割が変わることはありません。取引先や社内で異なる言い方をされた場合も、同じ書式で作成できます。呼び方ごとの意味と注意点は次のとおりです。
| 呼び方 | 指しているもの | 補足 |
| FAX送付状 | 書類の前に添える1枚 | 最も一般的な呼び方 |
| FAX送り状 | 送付状と同じ書面 | 送り状は配送伝票も指す |
| FAX表紙 | 1枚目という位置を指す | 資料の表紙と紛らわしい |
FAX送り状・FAX表紙という呼び方の扱い
気をつけたいのは、送り状という言葉が荷物の伝票を指す場合もある点です。社内で呼び方が混在しているときは、何を指しているのかを確かめておくと行き違いを防げます。取引先からFAX表紙と言われた場合も、同じ書式で作成できます。
送付状を付けない場合に起きること
送付状がない場合、受け取った側は差出人や用件を書類本体から読み取ることになります。担当者名が分からなければ社内のどこへ回すか判断がつかず、確認の電話が必要になることもあるでしょう。FAXは複数の相手からの書類が同じ機械に届くため、他社の書類と混ざることも起こります。1枚目に差出人と用件、枚数がまとまっていれば、こうしたやり取りの多くを減らせます。
FAX送付状に書く基本項目と書き方
FAX送付状に載せる項目は、送信日、宛名と送信先FAX番号、差出人情報、件名と本文、送信枚数です。これらがそろっていれば、受け取った側は誰から何が届いたのかを判断できます。項目ごとに、書く内容と抜けたときに起きることをまとめました。
| 項目 | 記載する内容 | 抜けたときに起きること |
| 送信日 | 送信した年月日 | いつ受信した書類か特定できない |
| 宛名・送信先FAX番号 | 会社名・部署名・担当者名・FAX番号 | 誰宛に送られてきたか分からない |
| 差出人情報 | 自社名・部署名・担当者名・電話番号・FAX番号 | 誰から送られてきたか分からない |
| 件名・本文 | 用件と挨拶、送付する書類の名称と部数 | 何の書類が送られてきたか分からない |
| 送信枚数 | 送付状を含めた合計枚数 | 何枚送られてきたか分からない |
送信日と件名の書き方
送信日には、送信する当日の年月日を書きます。書類を作成した日と送る日がずれる場合は、実際に送信する日を記載すると受け取り側の記録と食い違いません。西暦と和暦はどちらでも構いませんが、社内で統一しておくと管理しやすくなります。
件名は、送付する書類の用件が一目で分かる言葉にします。「見積書送付の件」「請求書のご送付について」のように、書類の種類と目的を短く示すと伝わりやすいでしょう。用件が複数あるときは、代表的なものを1つ挙げ、残りは本文で補います。
FAX送付状の宛名と敬称の使い分け
宛名は、書面の上部に会社名、部署名、担当者名の順で書きます。会社名は略さず正式名称で記載します。担当者名が分からない場合は、部署名までにとどめておいても差し支えありません。宛名の近くに送信先のFAX番号を書いておくと、送信前に番号を見比べられます。
敬称は、会社や部署宛てなら「御中」、個人宛てなら「様」を用います。両方を重ねて「株式会社○○御中 山田様」と書くのは誤りのため、担当者名まで分かる場合は「様」だけを使います。役職名を添えるときは「部長 山田様」の順が一般的です。
差出人情報に入れる連絡先
差出人情報には、自社名、部署名、担当者名に加えて、電話番号とFAX番号を書きます。受け取った側が内容を確認したいときや、返信が必要になったときの連絡先になるためです。メールアドレスを併記しておくと、相手が連絡手段を選べます。
自社のFAX番号を載せておけば、返信をFAXで受け取れます。送信の直前に書き足すのではなく、テンプレートにあらかじめ入れておくと書き漏らしを防げるでしょう。
送信枚数と送付内容の示し方
送信枚数は、送付状を含めた合計枚数で書くのが一般的です。「送付状を含め3枚」のように数え方の基準を添えると、受け取った側は届いた枚数と照合できます。送付状を含めない枚数で書くと、受け取った側の数え方とずれてしまうことがあります。
送付内容の欄には、送る書類の名称と部数を並べます。「見積書 1部」「仕様書 2部」のように書き出しておけば、受け取り側は届いた書類と照らし合わせられるでしょう。書類が1点だけであれば、件名と重ならない範囲で簡潔に記載すれば十分です。
FAX送付状のテンプレートの作り方
送付状は、毎回ゼロから作る必要はありません。WordやExcelで共通する項目を作っておけば、送るたびに変えるのは日付と宛名、件名、枚数程度で済みます。ここでは、テンプレートに入れておく項目と、自社用に作る手順をご紹介します。
テンプレートに入れておきたい項目
テンプレートには、自社名、部署名、住所、電話番号、FAX番号など、送るたびに変わらない情報をあらかじめ入れておきます。差出人欄をあらかじめ作り込んでおくと、送信のたびに書く必要がなくなりますし、書き間違いもなくなります。
どの位置に何を書くかは、次の見本で確かめられます。上から順に送信日、宛名と送信先FAX番号、差出人情報、件名、送信枚数、送付内容と並べ、最後に挨拶と用件を添える形が基本です。 記入例は、書き写してそのまま使える形で掲載しています。手書きでもパソコンでも並び順は変わりませんので、この順序をテンプレートに写しておくと迷いません。
FAX送付状の基本的な記入例

FAX送付状
2026年○月○日
○○株式会社
営業部 ○○ ○○ 様
FAX:00-0000-0000
株式会社△△
営業部 △△ △△
TEL:00-0000-0000
FAX:00-0000-0000
件名:○○書ご送付の件
送信枚数:送付状を含め○枚
(挨拶と用件を2〜3文)
送付内容
○○書 1部
自社用テンプレートを作るときの手順
まず、これまで使ってきた送付状を1枚用意し、固定情報と可変情報に分けます。次に、固定情報が現在の表記と合っているかを確かめ、必要に応じて直します。会社名の表記ゆれや、部署の統廃合で古くなった連絡先は、この時点で更新しておきましょう。
その後、可変情報の欄を空けてファイルとして保存します。印刷して手書きで使う版と、パソコン上で入力する版の2つを用意しておくと、状況に応じて使い分けられます。社内で共有する場合は、保存場所と更新の担当者も決めておきましょう。
FAX送付状は手書きでもよいか
送付状に決まった様式はなく、手書きでも差し支えありません。急ぎで1枚だけ送る場面では、手書きのほうが早く済むこともあります。ただし印刷に比べて読みにくくなりやすいため、送る頻度や急ぎかどうかを踏まえて使い分けるとよいでしょう。
用紙は無地のものを使い、A4サイズで作成するのが一般的です。書類本体と大きさがそろい、受け取り側の用紙とも合わせやすくなります。手書きの場合も、印刷した書式と同じ項目をそろえておくと、受け取った側が読み取りやすくなります。
FAX送付状の例文と場面別の書き分け
送付状の文面は、用件によって書き分けます。どの場面でも共通しているのは、時候の挨拶を長く書かず、送る書類と目的を簡潔に伝える点です。ここでは、見積書、資料送付、訂正や再送という3つの場面に分けて例文をご紹介します。いずれもそのまま書き写して使える形で掲載しています。
見積書を送るときの例文
見積書を送るときは、書類の種類と対象の案件が分かるようにします。金額に関わる書類のため、内容の確認を促す一文を添えると行き違いを防げるでしょう。次の例文は、案件名を差し替えればそのまま使えます。請求書を送る場合も、書類名を入れ替えれば同じ形で対応できます。
見積書を送付する場合のFAX送付状の記入例
件名:お見積書ご送付の件
送信枚数:送付状を含め3枚
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
先日ご依頼いただきました○○の件につきまして、お見積書をお送りいたします。
ご査収のうえ、ご不明な点がございましたらご連絡ください。
送付内容
お見積書 1部(2枚)
資料送付・案内を送るときの例文
資料や案内を送るときは、なぜ送ったのかを最初に伝えます。経緯を添えておくと、相手は受け取った意図をつかめます。案内状の場合は、日時や場所といった要点を送付状に書いておくと、書類本体を読む前に概要が伝わるでしょう。返信や申し込みの期限があるときは、期限と連絡方法もあわせて明記します。
資料・案内を送付する場合のFAX送付状の記入例
件名:○○のご案内資料ご送付の件
送信枚数:送付状を含め4枚
平素より大変お世話になっております。
先日お問い合わせいただきました○○につきまして、ご案内の資料をお送りいたします。
ご参加をご希望の場合は、○月○日までに下記の連絡先までご返信ください。
ご不明な点がございましたら、上記の連絡先までお問い合わせください。
送付内容
○○ご案内資料 1部(3枚)
訂正・再送を知らせるときの例文
先に送った書類に誤りがあった場合は、訂正である旨を送付状の冒頭で伝えます。あわせてどこを訂正したかを具体的に示すと、相手は該当部分だけを確認すれば済みます。先に送った分の破棄をお願いする場合は、その依頼についても1文で添えておきましょう。
訂正版を再送する場合のFAX送付状の記入例
件名:○○書の訂正版ご送付の件
送信枚数:送付状を含め2枚
平素より大変お世話になっております。
○月○日にお送りいたしました○○書に誤りがございましたので、訂正版をお送りいたします。
○○書の金額欄を訂正しております。お手数ですが、先にお送りした分は破棄いただきますようお願い申し上げます。
送付内容
○○書(訂正版) 1部(1枚)
FAX送付状を送るときに気をつけたい点
送付状を用意しても、送り方を誤ると意図が伝わりません。1枚目に置くこと、宛先番号を確かめること、読みやすい書式にすることの3点を押さえておきましょう。いずれも送信の直前に確認できる内容ばかりです。ここでは順にご紹介します。
送付状を置く順番と枚数の合わせ方
送付状は書類の前に重ねて、1枚目として送ります。順序が入れ替わると、受け取った側は本文から読み始めることになり、差出人の確認に手間がかかります。原稿を機器にセットするときは、紙の向きと順番をあわせて確かめておくと確実です。
送付状に書いた枚数と、実際に送る枚数がそろっているかも確認します。書類を追加したのに枚数を直し忘れると、受け取り側は届き漏れを疑うことになります。送信後は結果の表示を確認し、全ページが送られたかどうかを見ておくと安心です。
宛先番号の確認と誤送信への備え
宛先番号は、送信ボタンを押す前にもう一度読み合わせます。1桁違うだけで別の相手に届き、取引先の情報が第三者に渡るおそれがあります。短縮番号に登録している場合も、登録内容が古くなっていないかを定期的に見直しておくと安心です。
送付状に必要以上の情報を書かないことも備えの1つです。担当者名など宛先の特定に必要な情報は記載しつつ、金額の詳細や取引条件といった機密性の高い内容は書類本体に置くとよいでしょう。万一送信先を誤った場合の対応については、公表されている資料が参考になります。
手書き・印刷に共通する読みやすい書式
FAXでは、細い線や小さな文字、薄い色が受信側で不鮮明になることがあります。大きめの文字を使い、細かい図や薄い色の文字は避けると読み取りやすくなるでしょう。手書きの場合は黒のボールペンを使い、こすれて文字が消える筆記具は避けるのが無難です。
書き間違えたときは、修正液で直すよりも新しい用紙に書き直すほうが無難です。修正した部分は、受信側で不鮮明になることがあるためです。罫線や枠を細かく引く必要はなく、項目ごとに余白を広めに取るほうが見やすく仕上がるでしょう。
送付状の作成と送信の手間を減らす方法
送付状の作成と送信は、パソコンで完結させると手間を減らせます。作成から送信までを画面上で完結でき、テンプレートの使い回しもしやすくなるためです。ここでは、パソコンで作成して送信する場合の進め方と、押さえておきたい点をご紹介します。
パソコンで作成して送信する場合の進め方
テンプレートを開いて日付と宛名、件名、枚数を入力し、ファイルとして保存します。送付状と送る書類を1つのファイルにまとめておけば、送信の操作は1回で済みます。紙に印刷する工程がなくなるため、印刷や原稿をそろえる手間もかかりません。
送信の手段は、インターネットFAXやFAX機能付きの複合機など複数あります。手元にFAX機や電話回線がない場合は、インターネット回線を使って送る方法が選択肢になるでしょう。いずれの手段でも、送信前の宛先番号の確認は欠かせません。
MOVFAXでFAX送付状を送る場合
インターネット回線を使う手段の1つとして、日本テレネット株式会社ではインターネットFAXサービス「MOVFAX(モバックス)」を提供しております。法人向けのサービスで、パソコンやスマートフォンから送信できます。FAX機や電話回線を用意する必要はありません。
送付状を添えて送信する機能もご用意しており、画面上で入力するだけで1枚目に添えられます。取引先の受け取り方はこれまでと変わらず、新しい操作をお願いすることもありません。
まとめ
FAX送付状は、誰が誰宛に何を何枚送ったのかを相手に伝えるためFAXの1枚目に添える書面です。送信日、宛名と送信先FAX番号、差出人情報、件名と本文、送信枚数が基本の項目です。呼び方がFAX送り状やFAX表紙であっても、記載する内容は変わりません。宛名は会社宛てなら「御中」、個人宛てなら「様」を使い分けます。
手書きか印刷かは、送る頻度や急ぎかどうかを踏まえて選べば十分です。よく使う項目をテンプレートにまとめておけば、毎回変えるのは日付と宛名、件名、枚数だけで済みます。まずは手元の送付状を1枚見直し、固定情報と可変情報に分けるところから始めてみてください。