取引先への書類提出や役所への手続きなど、現在でもFAXでの送信を求められる場面があります。一方で、自宅や外出先にFAX機を設置していない場合、どのように送ればよいか迷うこともあります。
総務省の調査によると、FAXを保有する世帯の割合は23.5%(令和7年8月末時点)となっており、FAX機がない環境でFAXを送る必要が生じるケースも少なくありません。
FAX機がない場合でも、コンビニのマルチコピー機を使う方法や、インターネットFAXを利用する方法があります。送信する回数が1回だけか、継続して送るかによって、適した方法は異なります。
本記事では、それぞれの送り方や費用に加えて、FAXを受信する方法についても解説します。
目次
FAX機がない場合にFAXを送れる場所と送り方
FAX機を持っていない場合でも、FAXはコンビニとインターネットFAXから送れます。前者はたまに送る場面に、後者は頻繁に送る場面に向いています。コワーキングスペースや印刷店にも複合機を備えた施設はありますが、本来は作業や印刷のために利用する施設です。
FAXの送信だけを目的に利用する場合、利用料金や受付の手続きが必要になることもあります。設置状況も施設ごとに異なるため、事前の確認が必要です。ここでは、コンビニとインターネットFAXのそれぞれについて、費用と向いているケースを並べて示します。
| 送り方 | 向いているケース | 費用のかかり方 | 注意したい点 |
| コンビニのマルチコピー機 | たまに送る | 1枚あたり50円程度 | 送信できないFAX番号がある |
| インターネットFAX | 頻繁に送る | 基本料金と枚数に応じた料金 | 申し込みと本人確認が必要 |
コンビニのマルチコピー機から送る
コンビニのマルチコピー機(コピーや印刷、FAXをまとめて行える機器)は、主要なコンビニに設置されています。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートのいずれも、マルチコピー機を設置している店舗であれば、利用者が紙の原稿を持ち込めばその場でFAXを送れます。
この方法で用意するものは、紙の原稿と送信先のFAX番号、そして支払いに使う現金です。事前の申し込みや契約は不要であり、原稿が手元にあれば、その日のうちに送信を終えられます。現金以外の支払い方法はコンビニによって異なるため、利用前の確認が必要です。
インターネットFAXで送る
インターネットFAX(インターネット経由でFAXを送受信するサービス)を使えば、利用者はコンビニへ出向かずにFAXを送れます。パソコンやスマートフォンから原稿のデータを送信すると、送信先のFAX機には通常のFAXとして届きます。
多くのサービスでは、契約すると専用のFAX番号が発行され、送信だけでなく受信にも使えます。ただし、送信元として相手に表示される情報はサービスによって異なるため、契約前に確認してください。また、本人確認を含む申し込みの手続きが必要であり、FAX番号が使えるようになるまでには日数がかかることもあります。
インターネットFAXの費用は、月々の基本料金と、送受信した枚数に応じた料金を組み合わせた形が一般的です。たまに送るのであればコンビニのほうが手続きは少なく、頻繁に送るのであれば、利用開始までの手続きを踏まえてもインターネットFAXのほうが手間を抑えられます。どちらが向いているかは、送る回数から判断できます。
コンビニからFAXを送るときに確認しておきたいこと
コンビニのマルチコピー機からFAXを送る場合、利用者が行う操作は番号の入力と原稿の読み込みです。ただし、送れる原稿の形や送信先のFAX番号には条件があります。ここでは、送信の手順に加えて、利用する際の注意点を解説します。
| 確認項目 | 内容 |
| 国内への送信料金 | 1枚50円程度 |
| 送信できない番号の有無 | IP電話や一部特殊番号には送信できない場合がある |
| 海外FAXへの対応 | 利用するコンビニによって対応状況や料金が異なる |
| FAX受信の可否 | コンビニFAXは主に送信サービス。受信する場合はクロネコFAXなどの受取サービスの利用が必要。 |
| 送信結果の確認方法 | 利用するコンビニチェーンによって異なる |
紙の原稿を用意して送る手順
マルチコピー機のFAX機能は、読み込んだ紙の原稿を送信するものです。スマートフォンやパソコンの中にあるデータを、そのまま送信することはできません。メールに添付されたPDFなどを送る場合、利用者はデータをUSBメモリに保存して持ち込むか、オンラインプリントサービスを利用して、先に原稿を印刷します。
送信を始める前に、送信先のFAX番号を入力します。続いて原稿を機器に読み込ませ、読み取った内容を画面で確認したうえで送信します。料金を支払うタイミングや、送信結果のレポートを出力できるかどうかは、コンビニごとに異なります。
送信を始める前に、レポートを出力するかどうかを選ぶ機種もあります。原稿の読み取りを始めたあとでは、レポートを出力できない場合もあります。FAXが相手に届いたことを記録として残したい場合は、操作の前にレポートの出力方法を機器の画面で確認してください。
送信できないFAX番号がある
コンビニFAXは、送信先によって利用できない場合があります。海外への送信は対応状況がコンビニごとに異なるため、事前の確認が必要です。また、一部のIP電話などには送信できない場合があります。送信できる範囲は、各コンビニが機器の画面や公式サイトで案内しています。
原稿を持ち込む前に、送信先のFAX番号に誤りがないか、そして送信できる範囲に含まれるかをあわせて確認してください。入力した番号が実在するものであれば、誤った相手に送信してしまうリスクを伴います。入力の際は、市外局番を含めた番号になっているかもあわせて確認してください。
送信元として印字される情報
マルチコピー機から送信したFAXには、店舗の情報が印字される場合があります。セブン-イレブンでは、相手に届くFAXに店舗名と送信日時が表示されます。ほかのコンビニで印字される内容は、利用する前に機器の画面で確認してください。
送信元として自分のFAX番号を相手に伝えたい場合、マルチコピー機からの送信では対応できません。送信元の情報が相手にどう伝わるかは、送る手段を選ぶ際の判断材料になります。
原稿や画面を人に見られないよう注意する
マルチコピー機は店内に設置されているため、操作する画面や読み込ませる原稿は、周囲から見える状態になります。取引先の情報や個人の情報を含む原稿を送る場合は、周囲の状況を確かめてから機器を操作してください。混雑する時間帯を避けることも、内容を見られないようにする方法の一つです。
また、送信が終わったあとは、機器に原稿を残していないかを確認します。読み込ませた原稿は自動では回収されないため、置いたままにすると、内容が第三者の目に触れることがあります。送信結果のレポートを出力した場合は、その用紙もあわせて持ち帰ってください。
関連ページ:コンビニFAXの送り方と料金|受信の可否と使い分けを解説
インターネットFAXで送る方法
インターネットFAXを使えば、コンビニへ出向かずにFAXを送れます。手元にFAX機がなくても送れる点はコンビニと同じですが、こちらは自分のFAX番号を持てます。紙の原稿がない場合や、頻繁に送る場合の選択肢になります。ここでは、仕組みと申し込みに必要なもの、費用のかかり方を順にご説明します。
FAX機や電話回線を用意せずに送れる仕組み
インターネットFAXは、電話回線の代わりにインターネットを利用してFAXを送受信するサービスです。自宅に電話回線がなくても利用でき、送信先では通常のFAX機で受信されます。送信先の機器や操作、契約を変更する必要はありません。
パソコンやスマートフォンから操作するため、インターネット通信環境があれば外出先からでも送信できます。紙の原稿を送る場合は、事前にスキャンしてデータにする作業が必要です。この作業を行う機器が手元にない場合、コンビニのマルチコピー機のスキャン機能を使う方法もあります。
関連ページ:インターネットFAXとは|仕組み・メリットを解説【MOVFAX】
申し込みから送信までに必要なもの
インターネットFAXの利用を始めるには、申し込みと本人確認の手続きが必要です。事業者によって手順は異なりますが、Webサイトからの申し込み、本人確認書類の提出、支払い方法の登録という流れが一般的です。本人確認の方法や、提出できる書類の種類は事業者ごとに定められています。
申し込みからFAX番号が発行されるまでには、日数がかかる場合があります。提出の期限が決まっている書類を送るときは、期限に間に合うかを事前に確認してください。その日のうちに送る必要がある場合は、前述のコンビニのマルチコピー機を使う方法もあります。
送信の操作は、原稿のデータを選び、送信先のFAX番号を入力する流れです。送信の結果は画面や電子メールで確認できるため、コンビニへ出向かずに送信を終えられます。送信できるファイルの形式は事業者によって異なるため、手元のデータが対応しているかを事前に確認してください。
費用のかかり方
月額制のサービスでは、送る枚数が少ない月でも基本料金はかかります。コンビニのように使った分だけを支払う形ではないため、利用しない月にも費用が発生します。一方で、基本料金のかからないサービスもあるため、料金の形は契約前に確認が必要です。
料金体系は事業者によって異なります。受信を定額とするもの、送信に一定の枚数まで料金がかからない枠を設けるもの、送信と受信のすべてを枚数に応じて計算するものなどがあります。枚数の条件は送信と受信で別に定められている場合が多いため、自分がどちらを多く使うかを踏まえて確認してください。
どの料金体系が向いているかは、月にどれくらい送受信するかによって変わります。送る枚数と受け取る枚数を分けて見積もったうえで、基本料金と枚数に応じた料金を合わせた金額を比べてください。枚数が少ない場合は、コンビニで1枚あたりの送信料金を支払う方法のほうが費用を抑えられることもあります。
FAXの受け取り方
コンビニのマルチコピー機では、FAXを直接受け取れません。FAX機がない場合に受け取る方法は、クロネコFAXなどの受取サービスを利用するか、インターネットFAXを契約するかの2つです。ここでは、それぞれの受け取りの手順と条件をご説明します。
コンビニで受け取る場合の手順と注意点
コンビニでFAXを受け取る場合は、マルチコピー機で直接受信するのではなく、クロネコFAXなどの受取サービスを利用します。送信側は所定のFAX番号へ原稿を送るか、マルチコピー機から文書を預け、発行された文書番号を受け取る側へ伝えます。受け取る側は店頭のマルチコピー機でその番号を入力し、原稿を印刷します。
送信側が原稿を送る場所は、コンビニに限られません。ただし、預けた文書の保存期間は翌日24時までであり、期限を過ぎると印刷できなくなります。この仕組みに対応しているコンビニは限られるため、受け取りに使う店舗は事前に確認してください。
この方法では、受け取る側がコンビニへ出向く必要があります。自宅で受け取ることはできないため、外出が難しい場合や、頻繁に受け取る場合には向きません。受け取りの際にも料金がかかるため、金額は店頭の案内であわせて確認してください。
インターネットFAXで受け取る方法
インターネットFAXを契約すると、発行されたFAX番号あてに届いたFAXを、データとして受け取れます。このFAX番号を取引先へ伝えておけば、送信側はこれまでと同じ操作でFAXを送れます。送信側に新しい操作は発生しません。
届いた内容はパソコンやスマートフォンで確認できるため、紙に出力せずに保管できます。この方法ではインターネット通信環境が受け取りの条件になり、月々の基本料金も必要です。受け取る回数が限られる場合は、コンビニで受け取る方法と費用を比べて選んでください。
FAXが届いたことは、電子メールなどの通知で確認できます。外出している間も受信を把握できるため、受け取りのために自宅やコンビニへ移動する必要はありません。通知の方法は事業者によって異なるため、申し込みの前に確認してください。
まとめ
FAX機がない場合にFAXを送る手段は、コンビニのマルチコピー機から送る方法と、インターネットFAXを利用する方法の2つです。たまに送るのであればコンビニが、頻繁に送るのであればインターネットFAXがそれぞれ適しています。
FAXを受け取る場合は、受取サービスとインターネットFAXの2つから選ぶことになります。次の表は、利用する場面ごとに適した方法を示したものです。たまに送るのか、頻繁に送るのかを確認したうえで、方法を選んでください。
| 利用シーン | おすすめ |
| 一度だけFAXを送りたい | コンビニFAX |
| 外出先で紙の原稿を送りたい | コンビニFAX |
| 定期的にFAXを送る | インターネットFAX |
| パソコンのデータをそのまま送りたい | インターネットFAX |
| 月に何度もFAXを送る | インターネットFAX |
| FAXを受け取りたい | クロネコFAXなどの受取サービスまたはインターネットFAX |